前回に続いて数字の羅列(下表=再掲)で恐縮だが、もう1回お付き合いを願いたい。今回は、前回指摘した夕食の形体にスポットをあててみる。
まず、「指数」の最も優れた8月は、月間客数(14,098人)を延べ接客要員数(578人)で割った単純計算をすると、接客1人で客24人に対応していることになる。この月の夕食を形態別にみると、宴会形式の夕食総数が200人を上回った日は1日もなく、まったくなかった日が5日、数人から数十人規模の日を合算しても月間で延べ1000人に満たない。また、80人以上が部屋食だった日は11日あったものの、延べ客数は宴会食の2倍強で2000人を多少上回るていどだった。残りの8割弱は、レストランでの食事だったことになる。宴会食、部屋食、レストラン食を比率で示すと「7:16:77」になる。
一方、「指数」で最も悪かった12月は、前回記したように接客1人で客17人対応だった。前述のように区分してみると、宴会食が7日、部屋食が7日、レストラン食が3日となっているが、人数ベースでみると宴会食の7日は、あくまでも1日200人を超えた日であり、数10人から100人超の日も少なくなかったことから、上記の比率は「33:19:48」となっている。
ちなみに、客数の最も多かった7月の同比率は「26:12:62」であり、接客1人が客21人対応、客数の最も少なかった4月は「22:14:64」の比率で、接客1人が客20人対応だった。
さて、8月と12月を比べたときの決定的な違いは、夕食の宴会食とレストラン食の比率にあることが分かる。言い換えれば、人数のまとまる団体の宴会食は、営業的に効率がいいように考えられるものの、料理提供にかかわる総掛りコストである料飲サービス料率(料飲率=材料費、厨房や接客コストなど)として経営面から捉えると、接客コストを増大させる大きな要因になっている。いわば、「損をしている」のだ。
しばしば耳にするのが「クライアントから15人に1人の割合で接客係をつけてくれと言われたら、それを断ることは難しい」という話だ。しかし、そこでの接客コストがどれだけの額になっているのか計算しているニュアンスは、そうした話の中からは汲み取れない。料飲率に目が向けられていないのか、あるいは意識されていないのかは分からないが、少なくともGOP5%アップを考えるならば、料理提供にかかわる総掛りコストに、もう少し目を向ける必要があるだろう。
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