続 旅館が変わる赤字が消える その29
予約と当時の諸対応システム
Press release
  2002.12.07/観光経済新聞

ニーズ対応の自己診断−黒字経営K

 人件費適正化の6回目は「予約客数の連絡」(A群)と「当日対応ミーティング」(B群)を考える。

【基本スタンス】
予約客数の連絡(A群)は、計画的な人員運用において基本的な部分といえる。ここでは、先行する予約に対して月間・週間の諸データを各部門が必要とする形に加工し、適正な運用を図るのが狙い。一方、当日対応ミーティング(B群)は、実際の作業におけるムリ・ムダ・ムラを排除するために、A群として提供されたデータを当日の状況を加味しながら確認と適正化を図る。読みきれない要素や変動要素があるためにアバウトになりがちだが、人件費を適正なものとするためには一定のルールに従った対応が欠かせない。

【施策内容】
各4項目の8項目が中心テーマ。

A−@月間予約予想の作成
 狙いはシフト管理者に客数の指示を行い適正人員による運用体制の構築にある。実際には1カ月単位の予約実績と予想を基に行うが、予約立ち上がりの関係から厳密さに欠ける点もあり、そのために軽視されがちである。おおまかな数値でも実施することが不可欠で、仕組みの有無と実施状況を把握するのが基本スタンス。

A−A週間データの作成
 実際の作業に向けた具体的なデータの作成。1週間単位の予約状況をデータ化し、シフト管理者に指示するもの。内容は、団体と個間・総数・宴会場別宴会人数・使用部屋数・団体名簿などの各項目。データ化の手法と実施状況が要チェック事項。

A−B客数変更時の通知レベル
 指示を行った客数が変更になった場合、どのレベルで変更指示を行うか。シフト管理者との間で事前に決定しているか否かがチェックポイント。

A−C募集団体の客数伝達
 1週間単位で客数が正確に把握できないケースへの対処。前項と同様に伝達方法の明確化が問われる

B−@当日フリーの指示
 フリー客の人数・料金・料理ランクなどの諸事項を毎日検証し、対応と連絡手順の明確化をどこまで実施しているかが要チェック。

B−A特殊変更伝達の確認
 別注料理と一般予約の変更などを連絡する時間・方法の明確化がテーマ。これは、現場の混乱を防ぐとともに、人員の適正な運用にもかかわる。システムの確立度合いと運用状況が問われる。

B−B団体入退館時間の確認
 入れ込み時間などの連絡システムの確立度合いと運用状況を把握するのが狙い。接客部門の機動性を高めるとともに人員の合理的な運用を図る。

B−C相互ヘルプの人員
 時系列的に変化する作業に対処するため、必要に応じてヘルプする各部門の担当者を明確化し、運用時の不備を排除するのが狙い。また、人件費の適正化を図るうえで欠かせないチェック事項。そうしたシステムの構築度合いと運用状況の把握がチェックポイント。


(つづく)