続 旅館が変わる赤字が消える その25
予約レベル反映した人員体制 |
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ニーズ対応の自己診断−黒字経営G
人件費適正化の2回目は「出勤人員の客数連動」を捉える。
【基本スタンス】
忙しさのためにサービス提供に齟齬をきたすのは問題だし、暇をかこつ手持ち無沙汰状態も問題。どちらも労働時間の管理で「ムリ・ムダ・ムラ」以外の何ものでもない。経営サイドでみれば人件費の適正化に反するし、従業員サイドでは繁閑のバランスがモチベーションにもかかわってくる。そこで客数に連動した出勤人員の発想と仕組みが求められる。そのためには、客数レベルにみあった適正な作業人員を算出するとともに、それを実行する作業人員の出勤計画が欠かせない。
【施策内容】
以下6項目が中心。
@月間休日予定表の作成
繁閑の差が大きな業態では、休日の決定が難しい。予定が未定になり場当たり的な休日付与に陥るケースも少なくない。そこで、月間をサイクルとする予定表の作成が不可欠となる。ここでのチェックポイントは、従業員の希望する休日と予約レベルを整合させる仕組を構築しているか否かが問われる。休日と予約レベルが整合していれば、会社にとってはムダな人件費支出を抑制でき、従業員には快適な勤務体系を創出できる。いわば労使のメリットが両立できる。
A希望休日カレンダー運営
従業員の希望休日(当然ながら繁忙日意外)を休日予定表に反映させる仕組みの一つ。公開性によって従業員間の相互調整やモチベーションアップにもつながる。そうした仕組みの導入と運用の実態が要チェックポイント。
B週間作業計画の作成
客数レベルにみあった適正な作業人員数は、明確な作業計画があって成り立つもの。したがって、予約数がほぼ確定し、フリー客数の動向も予測できる月曜日から日曜日までのサイクルが妥当。そこで、週間単位の作業計画の策定が必要となる。その場合、月間休日予定との整合と柔軟な対応を可能とする仕組みの構築度合いがとわれる。
C当日作業計画の作成
さまざまな人員計画の最終的な具体化が当日の作業計画。ここでのポイントは、作業日の前日に、より細かな作業シフトを出勤退社時間を明確にすることにある。いわゆるシフト表の作成であり、そのためには入れ込み時間など、作業当日の各種情報を的確に把握できるシステムの存在がポイントで、その整備状況を捉えることが診断の要点。
D予約データの加工伝達
前項のシフト表作成に連動するものとして、予約担当者とシフト表作成者間の連絡システムの構築度合いがここでのチェックポイント。要は、予約担当者が月別・個別の諸データを、各作業部門がシフト作成に必要な形に加工して伝達する仕組みの精度が問われる。
E休日変更の伝達
仮決定した休日の確定・変更の手順や伝達方法の明確化は、第1・2項とも関わる事項で、曖昧になりがちなだけに整備度合いが問われる。従業員のモチベーションにもかかわってくる。
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(つづく) |
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