続 旅館が変わる赤字が消える その12
アンケートに目的意識を |
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ニーズ対応の自己診断−サービス評価@
【概略】
自館のサービスレベルは、適正な評価が行われることで意味をもつ。経営方針・品質方針に則ったサービスが行われているか否かの判断は、利用者の側に多くが委ねられている。方針に沿ったサービスを行っているので「満足が得られている」と過大に評価するのは危険であり、といって時折発生するクレームに振り回されるのも問題がある。肝心なことは、客観的なデータによって自館のサービスを評価することである。そのために利用者アンケートを実施する。また、時系列による変化は、改善策を検討する大きな要因になることから、定期性も必要条件となる。ここでは、アンケートの「実施」と「評価」に大別して考える。
【基本スタンス】
今回は「実施」にスポットをあてる。利用者を対象にしたアンケートは少なからず実施されているが、取組み姿勢に問題のあるケースも多い。アンケート用紙を用意しただけで、回答を漫然とまっているだけでの姿勢では、苦情収集の域を抜けきれない。これでは効果が期待できない。再来客の増加や顧客離反の防止、評価の向上など、利益目的を明確にした取組み意識がここでのテーマとなる。
【施策内容】
以下4項目が中心。
@顧客満足度調査の実施
食事・風呂・部屋・接遇などのサービス要素について、どの部分が再利用の決め手になっているのかを把握するのが狙い。この場合、統計的な分析を可能とする調査票の設計が大きなポイント。実施は年1回のスポット的なもので可能だが、定期性は不可欠。
A日常的アンケートの実施
これは、日常のアンケートにおける「設問」に関連したチェックポイントである。実際には、顧客満足度調査を基に「部署ごとの改善目標」を明確化し、それを「設問」に反映させるものである。これによって、改善目標の達成度合いが時系列的に把握できる。日々回収されるアンケートにおいて「再利用意向の向上=顧客満足度のアップ」を測定するための設問でもある。利用客の反応から、改善の進捗状況をとらえるなどアンケートにおける「設問」への意識(目的の明確化)が要チェック。
B日常的アンケートの配布
前項の「設問」に対して「配布方法」への姿勢である。利用客全員を対象にして、積極的にアンケート用紙を配布しているか否かが問題となる。客室常備のアンケート用紙の中には、角が折れ曲がったり明らかに前客が触れた形跡のあるものを、平然と置いているケースがある。配布方法は、回収にも影響するものであり、その姿勢はアンケートを実施する意識(目的)に通じる。
Cアンケートの回収
フロントでの回収や郵送など方法は多様。また、ホームページでの回答方法は、入力・集計の合理化などを勘案すると今後の活用が期待できる。肝心なことは、回答への誘導であり、懸賞はじめ回収促進策を講じる必要もある。
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(つづく) |
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