続 旅館が変わる赤字が消える その10
正確な情報提供が決め手
Press release
  2002.07.13/観光経済新聞

ニーズ対応の自己診断−情報管理A

【基本スタンス】
 旅行代理店や案内所は、販売チャンネルとして重要な位置付けにある。したがった、前回の自社PRにおける情報管理以上に、慎重で適正な対応が求められる。

【施策内容】
 以下4項目が中心。

@契約
 旅行代理店との契約時に最も留意すべき点は、正しい情報に基づいて契約をすることである。これは、きわめて当然のことであり、相応のチェックも行われる。問題は、契約後の対応であり、とくに契約時と異なる事項が発生した場合は、迅速に対応することが欠かせない。このことは、規定の事実であることから、逆に意外な盲点となっているケースもある。したがって、こうした事態に対応する自社での窓口の一本化、届出・報告先の確認などについて、体制を確立しているか否かがチェックポイントとなる。

Aタリフ記入
 代理店・案内所のタリフは、案内業務をする際のベースになることは熟知されている。したがって前項と同様に正確さが最優先される。とくに、客質タイプや料理内容については細心の注意が必要。振り替えなどによって内容変更がともなうケースなどでは、期待感とサービス内容にギャップが生じないようにする。そのためには、記入時のチェックと変更時の更新などに対応する情報管理体制の有無が要チェック。

B商品参画
 情報管理の面から商品企画への参画を捉えると、写真をはじめとした提供情報の内容が留意点となる。自社パンフレットなどと同様に、適正なアピールを前提に、事実誤認が起きないための情報管理が必要となる。また、デフレ時代を反映した多様な商品が売り出される時代にあっては、「正しい期待感」をもってもらえないような商品企画への参画をしないなど、一定の配慮が必要。これは、ニーズ対応の自己診断で指摘した「サービス理念」とも通じる問題であり、自社の理念に則った商品企画への参画に努める。したがって、自己診断に際しては、ビジュアルを含む情報管理とともに、経営理念との整合性を踏まえて商品企画に参画しているか否かが問われる。

C利用者アンケート
 旅行代理店が実施している利用客のアンケート調査は、他との比較で自社のレベルを知る有効なデータといえる。しかし、利用者満足度は、代理店などで説明がどのようになされたかでも異なる。@A項目(提供情報)の正確さだけでは、一概に判断できない部分でもある。また、評価の基準となるアンケートのサンプル数が少ない場合もある。したがって、情報管理の面からアンケートを捉えた場合、集計結果の解析するガイドラインを自社内に構築しているかがチェックのポイントとなる。アンケート結果によって評価を下す旅行代理店もあるが、サンプル数などを勘案した場合、これらのアンケート結果を参考程度にとどめ、独自の視点から解析できる仕組みが必要だといえる。

(つづく)