「社員教育」 その6
目標達成の4大要素は |
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従業員教育の目標は、旅館・ホテルの目指すところを徹底することにほかならない。前号で、教材づくりのポイントを示し、質の高い教材とカリキュラムづくりの必要性を訴えた。
しかし、肝心なことは、これらを整備することが「目的」ではなく、目標を達成するための「手段」として認識することにある。これは、マニュアルづくりにも共通することがらであり、しばしば指摘されている。
そこで、目標を達成するための教育システムを整理してみよう。大別すると以下の諸要素によって構成されている。
@ 講義
A トレーニング
B テスト
C 実践
第一点の講義は、基礎的な知識を机上で理解させるもの。文書化された教材を多用することから、一般的な教育のイメージが最も強い部分だ。
ここでは、@業務の目的=何のために行う作業なのかA業務の構成=どのようなことを行うのかB業務上の基礎知識=作業に入る前に把握しておかなければならない事項C業務上の注意点=業務推進上で注意すべき事項などへの理解を徹底させる。
実際には、作業内容ごとにこれらの必要事項を文書化し、教材として整備することが不可欠だ。したがって、この教材(テキスト等)を整備することで、社員教育の体制ができあがったような錯覚を覚える担当者も少なくないが、これは要注意だ。
第二点のトレーニングは、各ゾーンで作業を実地にトレーニングする。管理者(教育をする側)は、ゾーンでの流れを説明するとともに実演し、質疑応答を経て受講者自身が実際に作業を行う。このトレーニング状態を管理者がチェックし、完全にマスターさせる。
第三点のテストは、現場への配属を図る前の最終確認だ。部門ごとのテストシートを作成し、一人ひとりの理解度をチェックする。この時点で、合格者は実践(現場での実践経験)へと進ませるが、不合格者については、その度合いにおいてトレーニングあるいは講義にまでさかのぼって再受講をさせ、再度のテストを繰り返す。
第四点の実践は、現場で経験を積ませることであり、ここでも現場担当者と受講者の質疑応答などをとおし、業務への理解を深めさせる。
教育システムとは、これらが一連の流れとして整備されたものである。
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(続く=企画設計主任コンサルタント・平野茂登) |
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