「社員教育」 その1
業務のバラツキなくす |
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徹底した刷り込みを
社員教育システムの確立で、留意すべき点は三つに大別できる。
@クレームをなくす
Aサービスの品質維持
B教育期間の短縮
これらは、いずれも旅館・ホテルにおいて必須事項だが、三点を満たすことは意外に難しい。
それは、業務内容の多様性にも大きく左右されている。宴会・接客、料理、バックヤードの各種業務、管理事務などで、ポイントはそれぞれ異なるからだ。しかも、業務区分や作業内容が輻輳することも多く、広範な対応知識の欠如がクレーム発生につながる。
したがって教育システムづくりでは、これらをリンクさせた発想が求められる。いわば横に連携したシステム図が必要なのにも関わらず、管理システムは往々にして縦割りになっている。指示系統と業務の流れの整合を無視した場合、せっかくの教育が実効に結びつかないわけだ。
また、業務を遂行する上で発生する「なぜ」に対しては、経営方針に沿った的確な回答を用意しておく必要がある。先輩従業員まかせでは、方針の徹底も難しい。一つは先輩が十分に教えない、ないしは教えきれない点がある。また、業務の合間では割愛して教える場合も少なくない。「当面の手順を教えるだけで手いっぱい」といった実情もある。加えて、説明の上手下手などで教え方もまちまちになってしまう。
そこで、首尾一貫した教育マニュアルの策定が不可欠となってくる。また、ハウツー部分まで用意しておかないと品質維持は難しい。
さらに、内容を徹底的に刷り込むための教育システムがあって、はじめて全体が機能する。これは、基礎教育の期間を短縮する上で欠かせない。むろん日常の繰り返しも、ことあるごとに行わなければ、マニュアルを作っただけの伝言遊びになってしまう。
数年前から一般でも使われ始めた言葉に「サブリミナル効果」がある。動くものを一秒間に二十四コマの速度で撮影し、それを再生するのが映画の原理だ。この二十四コマのうち一コマだけ別の映像を差し込むと、実際には見えないのだが意識的には、見たのと同様の刷り込み効果を発揮するというもの。従業員教育では、日常のあらゆる場面を捉えて、こうした刷り込み作業を怠っては効果が半減する。
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(つづく) |
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